―特許出願中―
河川伏流水による水力発電構造
(参考資料/撮影地 十勝大橋(北海道))
1.発電の今日的課題
従来の発電方式には、政治、経済、環境等の各分野において多くの課題がある。ダム建設には経済的負担と自然破壊、開発余地問題、火力発電には化石燃料の輸入問題、地下熱発電には自然破壊と経済的負担、そして原子力には限りない危険が伴う。また、風力発電や太陽光発電には景観や電力供給の安定性の課題があり、今日では開発途上にある。
2.伏流水の活用
本発案は、これらの課題解決に向けて、自然エネルギーの新地の開発に河川伏流水を導管に取り込み、河床勾配を利用した水力発生の構造を提案したものである。山地の多い国土では、河川の中流から上流にかけて勾配が高い。この自然の勾配と伏流水を資源エネルギーとして発電に活用する。
本来、河川は中央に本流、その両サイドには洪水に備えた遊休河川敷地と築堤の設計で構成され、この河川の地下層には、表流水が砂礫層に浸透して流れる大量の伏流水が存在する。この伏流水を取り込む仕組みとして、蜂の巣状の取水孔を持つ導管と水圧を高める圧力導管を一体化した工法で地形の勾配に沿って埋設し、その終末の一角に建屋を設け、発電する構造である。
3.取水方法の特徴
伏流水を取水する蜂の巣状孔の導管は、自然流入に相当する孔の量を長尺に備え、地下3~5mの深層に埋設され、自然に流れ込む構造で、その孔の径は10mm程度とし、その導管の周囲を30mm大の砂利で包み、さらに、20mm、10mm、砂塵の順で周囲を埋め戻し、浸透性を高め、小石等の障害物の流入を防止する工法とする。
(蜂の巣状孔導管)
4.環境効果
この構造を設置する河川は、各級行政の管理下にあって、その敷地は農業や公園等に広く活用されているが、その地下の活用は特にない。従って、①地下層の活用は、政策上容易である。また、構造物を地下3~5mの深層に埋設することから、②河川敷地は原状に復帰され、環境負荷は少ない。水圧導管の終末には、③小規模な発電の建屋を必要とするが、景観や自然環境を損なうまでには至らない。この伏流水の取り込みにより、表流水の伏流作用に変化が生じ、導管埋設区間の表流水は減少するものの、④導管の終末では通常の水量となる。この仕組みから、水量の豊富な河川では、両サイドの敷地に、⑤複合的、段階的な設計にすることも可能である。さらに、河川深層の伏流水を取り込む仕組みから、⑥河川の表流に起こる洪水などの影響も限られる。また、⑦地下層に固定する設計により、半永久的な維持が期待される。
(イメージ図)
5.経済効果
伏流水を取り込む河川とその地下層は公共地であり、特に指定された活用がなく、①開発は容易であり、用地費等の縮減が図られる。この構造物は、河川地下に埋設することから、②単純、簡易な工法で低コスト化が図られ、③伏流水を自然エネルギー源とすることから、低単価の電力生産が可能となる。
6.動力供給の安定性
この地下埋設構造により、洪水等による影響は限られ、①伏流水は定量に確保され、水圧導管の終末で安定した動力を得ることができる。また、河川地下層に取水導管と水圧導管を完全に埋設・固定する工法で、②点検、整備、保守等は建屋内の発電機構に限られ、③設備利用率は高くなる。
7.エネルギー効果
これらの伏流水を資源とする河床勾配が2/100の地形では、伏流水を取り込む取水導管と水圧導管の延長が500mの終末で、落差10mの水圧に等しい動力が得られる。従って、発電エネルギーは河床勾配(落差)と導管口径(流量)に比例する。
8.発電試算値
河床勾配=2/100 導管口径=800mm 導管延長=500m
落差H=10m 流量Q=3.0(㎥/sec) 損失水頭=9.8 効率=0.72
(1)発電量=205.8kw(計算式 p(kw)9.8 ×3.0(㎥/s)×10(Hm)×0.7 )
(2)年間発電量= 1,616,220kw(計算式205kw×24(hr)×365(日)×0.9(稼動率))
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*ご意見、ご提案、開発協力等をいただける方は、下記連絡先までお願いいたします。
北海道河東郡音更町共栄台東11丁目5
伏流水発電研 代表 小池 幸雄
<特許申請認可済み>
「道路舗装用ブロック板」 http://www.patentjp.com/07/N/N104197/DA10001.html
「動力の伝達装置」 http://www.rdnavi.co.jp/patent/detail.php?id=2005344924
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